1)BDHQ
1-1 概略
簡単にいいますと、BDHQは食習慣(栄養素摂取量や主な食品の摂取量)を調べるための質問票です。食事歴法質問票という種類に属し、より大きくは、食物摂取頻度法質問票の一種と考えることができます。
過去1か月間の食習慣についておおまかに答えていただきます。「低脂肪乳はどのくらいの頻度で飲んでいましたか?」といった質問が並んでいます。「日に2回以上」「日に1回」「週に4〜6回」「週に2〜3回」「週に1回」「月に2回」「月に1回」「飲まなかった」といった回答(選択肢)が用意されています。
でも、質問票からは直接には、「低脂肪乳を週に1回くらい飲んでいた」といったことしかわかりません。このようなデータを専用のプログラムで解析(栄養価計算)することによって、たんぱく質が1日あたり○○グラム、カルシウムが1日あたり○○ミリグラム、緑黄色野菜が1日あたり○○グラムといった細かい情報が得られます。97種類の栄養素と53種類の食品について(2008年7月20日現在)1日あたりの摂取量が計算されます。
BDHQはA4大の紙にして4ページの分量に相当します。答えはごく一部を除いてあらかじめ準備された選択肢から選ぶ方式をとっています。質問は全部で**問です。ふつうの方の回答時間はおよそ15分です。専用の入力プログラムが用意されていて、それを使った場合の入力時間は2分くらいです。
1-2 特徴
大きな特徴が3つあります。
1つは、BDHQで推定される摂取量(現実からはかなり離れていると想像されます)が、本当に食べていた量と比べてどれくらい近いか(どれくらいちがうか)をていねいに調べた研究が行われている、という点です。これによって、BDHQの長所と短所、それと利用時に注意すべきことが科学的に明らかになっています。
2つ目の特徴は、個人結果帳票(回答した人へ返す結果です)が9種類も準備されていて、個人ごとや集団での食事指導で使いやすいという点です。
3つ目の特徴は、使い方についてとても詳しい学習用資材(e-ラーニングコース)が準備されているという点です。指導者(アセスメントを行う人や結果を説明したり、指導をしたりする人)が勉強して、高度な使い方をできるようなシステムが完備しています。ここでは、BDHQの使い方に留まらず、食べ物と病気の関係などについても学ぶことができます。
1-3 何に使えるのか
主に次の2つの用途に適しています。
特定保健指導など、保健分野で食事について保健指導を行いたいとき 同様に、病院の外来患者さまに使うこともできます。しかし、特殊な疾患をもつ患者さまで特別の食事指導が必要な場合にはBDHQで準備している個人結果帳票は適していないと思われます。その場合は、同時に出力される詳細データを専門の管理栄養士が見て、データに基づいてきめ細かい指導を行うことをお勧めします。BDHQでは詳細なデータが出力されますから、このようなことも可能です。
また、臨床現場などで特殊な疾患に対する栄養指導が必要な場面もあります。これらについては、BDHQでは個人結果帳票を準備していません。必要度と予算に応じて個人結果帳票を新たに開発することもあります。個人結果帳票の開発については、開発者・管理者(東京大学:佐々木敏、http://www.nutrepi.m.u-tokyo.ac.jp)に相談してください。
・疫学研究や行政レベルのサーベイ(調査)で食習慣のデータを収集したいとき
高度に標準化されたシステムが完備していて、データはEXCELファイルとして自動的にまとめられますから、この種の目的にも適しています。従来用いられていた、定性的な食習慣アンケート(たとえば、「みそ汁は飲みますか?」という質問に対して、「毎日」「ときどき」「まれに」「飲まない」から選択して回答する)に比べるとはるかに質の高い量的なデータが得られますから、データを詳細に解析、検討することができます。ただし、食事記録法など、1人あたり費用と労力がとても大きい他の食事アセスメント法に比べると精度は劣ることが多いため、その選択には専門的な知識を必要とします。
また、食習慣に非常に詳細に調べたいという目的にはBDHQよりもDHQのほうが適しています。DHQはBDHQに比べると、はるかに詳細な質問票です。現在、もっとも広く使われているDHQ-L版で22ページあります。基本的な回答方法は自記式で、回答時間は45分から60分程度です。DHQは研究用に広く用いられ、DHQを用いた研究論文がたくさんあり、わが国で開発された食事質問票としては、世界的に認められている数少ない質問票のひとつです。
DHQについての詳細な内容については、DHQの説明をご覧ください。
また、疫学研究や行政レベルのサーベイ(調査)でBDHQの利用を検討される場合には、その適否ならびに正しい使い方について、開発者・管理者(東京大学:佐々木敏、http://www.nutrepi.m.u-tokyo.ac.jp)に相談することをお勧めします。
1-4 どのように使えばよいのか?
BDHQを使うには、DHQBOXのユーザー契約が必要です。基本的には1年間の契約で、年度が改まるたびに更新手続きをしていただきます。これ以外に、1回きりのアセスメントや調査だけでのBDHQ利用者のための、単回契約のコースも用意されています。
単回契約のコースでは、アセスメント人数、データ入出力の方法や種類によって利用価格が異なります。
DHQBOXユーザーになれば、年間5000人まで契約料金でBDHQを利用することができます。ただし、利用の範囲によっていくつかのコースが用意されています。
以下は、もっともステータスの高いDHQBOXユーザーが利用できる内容についての説明となります。
BDHQの質問票にはpdf版とOCR版があります。質問内容や質問票の構造はまったく同じです。pdf版は、DHQBOXユーザーになれば、自分でプリントアウトして自由に使うことができます。pdf版を使ってアセスメントを行った場合は、データ入力は手入力となります。DHQBOXユーザーになれば、手入力用のソフトがDHQBOX利用料金内で提供されますので、自分のパソコンでデータができます。 また、大量入力の場合は、別途料金を払って、DHQサポートセンターへ入力依頼をすることもできます。OCR版は、OCR(光学式カード読み取り機)専用の紙に印刷された質問票です。別途料金を支払って購入します。価格は購入部数によって異なります。入力されたデータ(粗データと呼んでいます)は、BDHQ専用の栄養価計算プログラムを使って、栄養素や食品の摂取量を計算します。このプログラムは、DHQサポートセンターのメインサーバーに保管され、ユーザー全員がそれを使う方法をとっています。DHQBOXを使ってメインサーバーに入力した粗データを送ると栄養価計算がなされ、粗データに結果が追加されたデータがDHQBOXを通じて返却されます。
個人結果帳票を出力(プリントアウト)したい場合には、個人結果帳票出力用のプログラム(DHQBOX契約時に契約料金内で配布され、その後のプログラム更新についても、最新のものが配布され、利用できるようになっています)を使って、自分のパソコンとプリンターを使って、自由に出力(プリントアウト)ができます。
その他、データ統合用のプログラムや、基本集計用のプログラムなど、周辺プログラムもDHQBOX契約時に契約料金内で配布され、利用することができます。
・DHQについては次をご覧ください。→DHQへ
・E-ラーニングコースについては次をご覧ください。→E-ラーニングコースへ








